私自身、作業療法士として働く中で心身のバランスを崩し、転職を経験しました。
- 作業療法士が「うつ病になるかもしれない」と感じやすい理由がわかる
- うつ病と感じる前に気づきたい心と体のサインを整理できる
- 不安を感じたとき、何から考え・行動すればいいのかがわかる
- 「仕事を続ける」「辞める」の二択だけで考えなくていいと理解できる
- 転職や相談を“逃げではない選択肢”として冷静に捉えられるようになる

当時は、何がつらいのかもうまく言葉にできず、辞めるべきか、続けるべきかの判断も難しかったです。
この記事では、作業療法士として働く中で「うつ病になるかも」と感じたときに、一人で抱え込まずに考えてほしい視点を、経験と情報の両面から整理しています。

作業療法士として働く中で「うつ病になるかも」と感じた時に知ってほしいこと
作業療法士として働いていると、ある日ふと「このまま続けていたら、うつ病になるかもしれない」そんな不安が頭をよぎることがあります。
この感覚は、決して珍しいものでも、弱さの表れでもありません。
むしろ責任感が強く、真面目に仕事に向き合ってきた人ほど感じやすいものです。
作業療法士の仕事は、身体的な負担だけでなく、精神的なエネルギーも大きく消耗します。

患者さんや利用者さんの状態に日々向き合い、成果が見えにくい中でも「支え続ける」役割を担うため、知らないうちに無理を重ねてしまうことが少なくありません。
特に注意したいのは、「まだ大丈夫」「この程度で弱音を吐いてはいけない」と感じやすい点です。
不調が一気に限界として表れるのではなく、じわじわと進行することが多いため、自分でも異変に気づきにくくなります。

「当時はただ疲れているだけだと思っていた…」「周囲には普通に働けているように見えていた…」と気づかずに小さな無理を重ねていってしまいます。
また、「うつ病になるかも」と感じている段階では、実際にうつ病かどうかを断定する必要はありません。
大切なのは診断名ではなく、「今の働き方や環境が、自分にとって無理のある状態になっていないか」を見つめ直すことです。

この不安は、あなたが真剣に仕事と向き合ってきた証拠でもあります。
だからこそ、無視するのではなく、一度立ち止まって整理する価値がありますよ。
この先では、以下のことを深堀してご紹介していきます。
・なぜ作業療法士はこうした不安を抱えやすいのか
・どんなサインに注意すればいいのか
・すぐに結論を出さずに考える方法
なぜ作業療法士は“うつ病の心配”を抱えるのか?
作業療法士が「うつ病になるかもしれない」と感じやすい背景には、個人の性格やメンタルの弱さではなく、仕事そのものが抱える構造的な要因があります。
現場で真面目に働いているほど、「自分だけがしんどいのではないか」「もっと大変な人もいるのでは」と感じてしまい、不調を言語化しにくくなります。
ここでは、作業療法士がメンタル面の不安を抱えやすい理由を、3つの視点から整理します。
身体的・精神的な負担が大きい仕事だから
作業療法士の仕事は、身体を使う場面が多く、慢性的な疲労が蓄積しやすい職種です。
移乗介助、姿勢保持、長時間の立位・中腰など、腰や肩への負担は日常的に発生します。
一方で、身体的な負担以上に影響が大きいのが精神的な消耗です。
・回復が思うように進まないケース
・気持ちの落ち込みが強い患者さんへの対応
・家族対応や多職種との調整
・記録・評価・書類業務のプレッシャー
これらを同時に抱えながら、感情をコントロールし続ける必要があります。

私も体よりも、気持ちの消耗のほうが仕事をしていてつらかったです。
心身の負担が積み重なると、「疲れている」状態と「不調」の境界が曖昧になり、気づいたときには限界に近づいているケースも少なくありません。
“気づきにくいストレス”が積み重なる
作業療法士のストレスは、目に見えにくく、数値化しにくいという特徴があります。
たとえば、以下の特徴が挙げられます。
・小さな気配りを常に求められる
・感情を抑えて対応する場面が多い
・成果がすぐに評価されにくい
・「ありがとう」が仕事として当然になりやすい
こうした要素は、一つひとつは些細に見えても、長期間続くことで確実に心を消耗させます。
また、「仕事が好き」「やりがいがある」と感じている人ほど、ストレスをストレスとして認識しにくい傾向があります。

私もやりがいを感じていたので、不調が出るまで無理をしていることに気づいていませんでした。
このような“気づきにくいストレス”は、ある日突然、気力の低下や体調不良として表面化することがあります。
他人の役に立ちたい人ほど逃げにくい心理
作業療法士を志す人の多くは、「人の役に立ちたい」「人を支える仕事がしたい」という思いを持っています。
この価値観自体は、専門職として大きな強みです。
しかし同時に、【つらくても我慢してしまう・自分の不調を後回しにする・「辞めたい」と思うことに罪悪感を抱く】といった心理につながりやすくなります。
特に、周囲から「頼りにされている」「いなくなると困る」と感じるほど、逃げ道を自分で塞いでしまうことがあります。

患者さんがまだ退院していないのに辞めたいと思う自分を責めていたり、周囲に迷惑がかかると思って限界まで頑張ってしまうんですよね。
このような心理状態が続くと、「つらい」→「我慢」→「限界」という流れに陥りやすく、結果としてうつ病への不安が強まります。
うつ病と感じる前に知っておきたい“サイン”とは?
「もしかして、うつ病かもしれない」
そう感じたとき、多くの人は明確な症状が出てからを想像しがちです。
しかし実際には、うつ病と診断される前の段階で小さな変化や違和感がいくつも現れることが少なくありません。
ここで紹介するサインは、「これがあれば必ずうつ病」というものではありません。
あくまで、今の自分の状態を振り返るための目安として捉えてください。
気持ち・感情の変化(例:やる気が出ない、絶望感)
最初に現れやすいのが、気持ちや感情の変化です。
たとえば、以下のような変化があります。
・仕事へのやる気が出ない
・以前は気にならなかったことが重く感じる
・小さなミスを過剰に責めてしまう
・将来に対して希望が持てない
・「自分がいない方がいいのでは」と感じることがある
こうした感情は、忙しさや疲れのせいだと片づけられがちですが、長期間続いている場合は注意が必要です。
作業療法士は、日常的に感情をコントロールする場面が多いため、自分の気持ちの変化に鈍感になりやすい傾向があります。

私はやる気が出ない理由を“甘え”だと思ってしまい、さらに自分を責めてしまっていました。
このような感情の変化は周囲から見えにくい分、本人が一番後回しにしてしまいやすいサインでもあります。
身体的な変化(例:眠れない、疲れが取れない)
心の不調は、身体にサインとして現れることも多くあります。
代表的なものとしては、以下のものが挙げられます。
・寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
・朝起きても疲れが取れない
・食欲が落ちた、または過食気味になる
・頭痛・胃痛・動悸など原因のはっきりしない不調
・休んでも回復した感じがしない
これらは一見、体調不良や生活リズムの乱れに見えますが、心の状態が影響しているケースも少なくありません。
特に作業療法士は、「体力仕事だから疲れるのは当然」と考え、身体の不調を軽視してしまうことがあります。

睡眠の質が明らかに落ちて、休日に寝ても疲れが抜けなくなった時点で休養を入れるように意識すべきだったと思います。
このような身体の変化は、心からのSOSが形を変えて出ている可能性もあります。
仕事以外の生活にも影響が出ていませんか?
もう一つ重要なのが、仕事以外の時間の過ごし方の変化です。
・休日に何もする気が起きない
・趣味や楽しみだったことに興味が持てない
・人と会うのが億劫になる
・家族や友人との会話が減る
・仕事のことが頭から離れない
これらは、「仕事が忙しいから仕方ない」と見過ごされやすいですが、生活全体に影響が及んでいる場合は注意が必要です。
仕事だけがつらいのか、それとも生活そのものが重くなっているのか。
この違いは、今後の判断を考えるうえで重要なポイントになります。

私は仕事のことを休日でも考えるようになって、仕事が生活を侵食している感覚があり、余暇を楽しめなくなっていました。
ここまで読んで、いくつか思い当たることがあっても、すぐに結論を出す必要はありません。
大切なのは、「今の自分の状態を把握できたかどうか」です。
「うつ病かもしれない」と思った時にすべきこと
「うつ病かもしれない」と感じたとき、多くの人が以下の判断に悩みます。
・まだ我慢すべきなのか
・すぐに病院へ行くべきなのか
・仕事は続けられるのか
この段階で大切なのは、正解を急いで決めないことと、一人で抱え込まないことです。
ここでは、今すぐできる現実的な行動を3つの視点から整理します。
まず自分の状態を“整理”する方法
最初にやるべきことは、「うつ病かどうかを判断する」ことではなく、今の自分の状態を言葉にして整理することです。
おすすめなのは、次のような視点で書き出してみることです。
・いつ頃からつらさを感じ始めたか
・どんな場面で特に負担を感じるか
・仕事・生活・睡眠・体調の変化
・「一番しんどい」と感じていることは何か
紙でもスマホのメモでも構いません。
重要なのは、頭の中だけで考え続けないことです。

紙などに書き出して初めて自分が“限界に近かった”と気づくこともできました。
この“整理”は、後の相談や受診の際にも大きな助けになります。
身近な人や専門家に相談する意義
状態をある程度整理できたら、信頼できる誰かに話すことを考えてみてください。
相談相手は、必ずしも正解をくれる人である必要はありません。
・家族
・友人
・同僚
・上司
・相談窓口や支援サービス
「話す」こと自体に意味があります。
作業療法士は、普段から人の話を聞く立場にいるため、自分が相談する側になることに抵抗を感じやすい傾向があります。

なんとなく周りには迷惑をかけると思って相談できなかったのですが、誰かに話して受け止めてもらえるだけで心が軽くなりますよ。
第三者に話すことで、自分では気づけなかった視点が見えることもあります。
医療機関でのチェックの進め方(受診のタイミング)
「病院に行くほどではない気がする」そう感じて受診をためらう人は少なくありません。
しかし医療機関の受診は、必ずしも診断や薬のためだけのものではありません。
・今の状態がどの程度なのか
・休養が必要かどうか
・働き方を見直す目安
こうした情報を得るための確認の場として考えても問題ありません。
受診の目安は、以下のことが挙げられます。
・不調が数週間以上続いている
・仕事や生活に支障が出ている
・「このままでは危ないかも」と感じる
上記の場合は、一度相談してみる価値があります。

私は専門家に自分の状態を“説明してもらえた”ことが救いとなった気がします。
受診することで、「今すぐ決断しなくていい」「段階的に考えていい」という安心感が得られることもあります。
仕事を続けるかどうか、焦らず考える3つの視点
「このまま今の職場で働き続けていいのか」
「辞めたほうが楽になるのではないか」
うつ病の不安を感じているときほど、白か黒かの二択で考えてしまいがちです。
しかし実際には、「続ける」「辞める」以外にも、間に取れる選択肢がいくつも存在します。
ここでは、焦って結論を出さないために知っておきたい3つの視点を整理します。
環境で変わる可能性(職場・シフト・役割の調整)
まず考えたいのは、「仕事そのもの」ではなく「環境」に原因がある可能性です。
作業療法士の仕事は同じでも、以下の条件によって負担の大きさが変わります。
・勤務先(病院・施設・訪問など)
・担当する利用者層
・シフトや勤務時間
・求められる役割
さらに負担となる要因
・業務量が多すぎる
・人員が足りていない
・一人で抱え込む体制になっている
上記のような要因がある場合、環境調整だけで負担が軽くなるケースもあります。

私は仕事を辞めるしかないと思っていたので、環境や働き方を変えるという柔軟な発想があればもっと良かったと思います。
「環境を変える余地があるか」を見極めることは、続ける・辞めるを考える前の大切なステップです。
自分の価値観と負担のバランスを取ること
次に大切なのは、「何を大事にして働きたいか」を改めて確認することです。
・やりがい
・専門性
・収入
・生活リズム
・心身の安定
これらすべてを完璧に満たす職場は、そう多くありません。
不調を感じているときは、「多少無理をしてでも頑張るべき」という価値観が優先されがちですが、負担が大きすぎる状態が続けば、長く働くことは難しくなります。

疲れすぎると、何を優先すべきか分からなくなってしまうので注意が必要です。
価値観と負担のバランスを見直すことは、「逃げ」ではなく、働き続けるための調整です。
辞める=失敗ではないという考え方
どう考えても今の環境が合わない場合、「辞める」という選択が浮かぶこともあります。
しかし、多くの作業療法士がここで強い罪悪感や自己否定を抱きます。
・途中で辞めるのは無責任ではないか
・専門職として失格ではないか
・我慢できなかった自分が悪いのでは
こうした考えは自然ですが、辞めること=失敗とは限りません。
合わない環境で心身を壊してしまえば、その後、働き続けること自体が難しくなってしまいます。

辞める決断をするまでが一番つらく、辞めると言えた後は、初めて楽になった感覚がありました。
辞めるかどうかは、「耐えられるか」ではなく、「これ以上続けたらどうなるか」で考えてもいいのです。
転職・相談という“ひとつの選択肢”として知っておきたいこと
「うつ病かもしれない」「このまま働き続けて大丈夫なのか」と感じたとき、多くの作業療法士が“転職”や“相談を考えること自体に罪悪感を抱きがちです。
しかし、心身の不調を感じながら無理を続けることが、必ずしも正解とは限りません。
ここでは、転職や相談を極端な決断ではなく、選択肢の一つとして捉えるための考え方を整理します。
転職は逃げではなく“整理”の一つの形
転職という言葉には、「続けられなかった」「耐えきれなかった」というネガティブな印象がつきまといます。
ですが実際には、転職は
・自分の心身の状態
・仕事の負荷
・今後の働き方
これらを一度整理し、組み立て直す行為でもあります。
特に作業療法士は、「患者さんのため」「職場に迷惑をかけられない」という思いから、限界を超えても踏みとどまってしまう人が多い職種です。
しかし、状態が悪化してからの離職は、回復にも時間がかかりやすく、結果的に「もっと早く動けばよかった」と感じるケースも少なくありません。

転職=逃げだと思っていましたが、自分が楽に働ける場所は他にもあることを知りました。まだ頑張って耐えている同僚にも気づいて欲しいです。
まずは情報収集・相談からでもOK
転職を考えたからといって、すぐに「辞表を書く」「応募する」必要はありません。
多くの場合、本当に必要なのは「今の状態で、他にどんな選択肢があるのかを知ること」です。
【選択肢の例】
・他施設の勤務形態(急性期/回復期/生活期)
・非常勤・時短・訪問など負荷の違い
・作業療法士以外の働き方(関連職・支援職など)
こうした情報を知るだけでも、「今の職場しかない」という思い込みが少しずつ和らぎます。
また、第三者に話すことで、自分がどこに一番つらさを感じているのか、本当は何を変えたいのか、が整理されることも多いです。

すぐ転職するつもりで相談するのではなく、情報を知るために相談して視野が広がりました。
信頼できる支援サービスを選ぶポイント
相談先や支援サービスを選ぶ際には、「求人数の多さ」だけで判断しないことが大切です。
特に心身の不調を抱えている場合、以下のような視点が重要になります。
・作業療法士・医療職の働き方を理解しているか
・無理に転職を勧めてこないか
・体調や希望を丁寧に聞いてくれるか
・「今は転職しない」という選択も尊重されるか
支援サービスは、利用すること自体が転職の決定ではありません。
合わなければ途中でやめても問題ありません。

私自身、体調を崩して転職を考えたときは、最初から一社に絞らず、複数の転職支援サービスに登録しました。
話しやすさや理解の深さは、実際にやり取りしてみないと分からない部分もあります。
結果的に、「この人なら安心して相談できる」と感じたエージェントにお願いし、無理のないペースで就職の斡旋をしてもらうといいでしょう。
転職するかどうかは、今すぐ決めなくても構いません。
ただ、「一人で抱え続ける」以外の選択肢があることを知っておくだけでも、気持ちは少し楽になります。
私自身も、まずは話を聞いてもらうところから始めました。
同じように悩んでいる方にとって、参考になる選択肢の一つとして、以下のサービスをご紹介します。
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作業療法士がうつ病になるかも|不安を感じたときの考え方まとめ
作業療法士として働く中で、「うつ病になるかもしれない」と感じることは、決して特別なことではありません。
それだけ仕事に真剣に向き合い、責任を背負い、人の役に立とうとしてきた証でもあります。
大切なのは、不安を感じた自分を否定せず、「今の自分は何に負担を感じているのか」「何を変えれば楽になる可能性があるのか」を、少しずつ整理していくことです。
うつ病のサインは、はっきりとした形で現れるとは限りません。
気持ちの変化、体調の違和感、仕事以外の生活への影響など、小さな変化に気づくことが無理を続けないための第一歩になります。
また、
・環境を調整する
・役割や働き方を見直す
・誰かに相談する
・転職という選択肢を持つ
これらはすべて「逃げ」ではなく、自分を守るための判断です。
続けることも、離れることも、どちらが正解というわけではありません。
もし今、「このままで大丈夫だろうか」と立ち止まっているなら、焦って答えを出す必要はありません。
一人で抱え込まず、情報を集め、相談しながら、自分のペースで判断していくことが何より大切です。
無理はしなくていい。
あなたがこれまで積み重ねてきた経験や価値は、環境が変わっても失われるものではありません。
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